今年はGIGAスクール2年目を迎えます。
冬休み、子どもたちのChromebookの活用状況はいかがだったでしょうか。
GIGAスクール構想が推し進められた背景は、脆弱かつ危機的な状況と表現された日本の学校のICT環境整備の遅れでした。
GIGAスクール構想の発表当初、教育コンピュータ1台当たりの児童生徒数は全国平均で5.4人/台と1人1台には遠く及ばず、地域間格差も大きいのが現状でした。
また、世界的に見ても日本の学校におけるICT活用は遅れており、34カ国の先進国で構成されているOECDの中で、「学校の授業におけるデジタル機器の使用時間が最下位」という結果になっていました。
加えて、GIGAスクール構想より前から取り組みが始まっていたプログラミング教育もGIGAスクール構想の一部としてあらためて提唱されました。AIやIoTを積極的に活用するSociety 5.0の時代の到来に備え、プログラミング教育を通して、情報活用能力と論理的思考力を身に付けることが狙いです。
こうした背景により始まったGIGAスクール構想ですが、新型コロナウイルスの世界的な大流行を受けてその必要性が急速に高まり、2023年度までに整備する当初目標が2020年度内となり、現在に至ります。
コロナ禍で前倒しになったGIGAスクール構想。本来、4年がかりで進めるはずが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、1年で校内通信ネットワークと児童生徒1人1台端末の整備とが進められました。世界でも類を見ないスピードで整備されたことになります。
2021年はGIGAスクール元年と言えます。2021年度は「とにかく使ってみよう」がスローガンでした。この1年で、基本的な活用を経験し、次はどうするかという段階が2022年です。
整備だけで子どもたちに情報活用能力がすぐに身に付くわけではありません。水に入って泳がなければ、泳げるようにならないように、ICTの活用スキルはどんどんチャレンジして使っていくしかありません。
文科省の示した学習指導要領では、「情報活用能力」を学習の基盤となる資質・能力と位置づけ、教科横断的に育成することとしています。つまり、国語科や算数科といった教科の内容と同時に、ICTも用いた「学び方」を学びます。
例えば、理科の実験を行って、その結果をプレゼンテーションソフトを使って報告する学習活動を考えてみます。教科内容を学びつつ、自分が学習したことを整理する方法やアイデアのまとめ方、どんな言葉を使い、どんな写真や表、グラフを選び、どうレイアウトするかといった表現や伝達の方法等を学びます。大型モニターに表示されたスライドを見ることで、自分のレポートが他の子とどう違うのかという比較の仕方も学びます。
人生100年時代。身に付けた知識・技能が陳腐化していくスピードの速い時代を子だもたちには生きていきます。つまり、生涯にわたって学び続ける必要がある時代を現代の子どもたちは生きていくことになります。
そこで大事なのは、「学びに向かう力」や「学び方」をもとに、答えのない問いに向かう姿勢です。
私たち大人が生きたことのない時代を生きる子どもたちのために、私たち大人も学び続けなければいけません。